社会人から看護師を目指す人の背中を押したい話

転職

今回の記事はタイトルそのままコレです。

いちど社会に出たものの、看護師という職業が気になる・看護師になりたい、今からでも間に合うのか?

…とひとりでモヤモヤを抱えている方に読んでいただきたい記事となっております。

31歳で看護師になった話

まずはわたしが看護師になるまでのお話をざっくりと。

高校を卒業後、特に目指したい職業も勉強したい分野も決めきれず、2年制の短大へ進学。

実はこの時点で看護師に興味はありましたが、倍率も高いし受かるわけないと看護学校に受験すらせず断念していました。

看護学校を目指す同級生に謎の引け目を感じていたんです。

短大も卒業間近、続々と内定を取る同級生を横目に全く内定を取れないわたし。

正直焦りました。

焦った勢いで、友人とどこぞのパチンコ屋に就職しようとするも、今まで進路に関して口を出してこなかった両親が猛反対。

改めて進路を考え直した結果、美容の道へ。

美容専門学校への入学を決めました。

なぜ美容に進んだかは今回特に重要ではないため割愛します。

専門学校では半年間、メイク・ネイル・エステの基礎を学んだ後、エステコースに進み、1年半勉強しました。

そこで皮膚科学や解剖生理学といった人体の構造についての知識に触れるうちに、看護師に通ずるものを感じました。

『これって看護学校でも勉強することなのかな』と。

とは言え、この時点で看護師を目指すほどの熱意はなく、そのままエステサロンへ就職しました。

5年間のエステティシャン時代は振り返ると過酷なものでした。

4つのサロンを経験しましたが、どのサロンも薄給なうえに長時間労働で、いつまでも続けられる仕事ではないという結論に至りました。

本当にこの仕事が好きで、やりがいを感じられる人かつ結果を出せる人にしかできない職業だと。

そうして気力も体力も限界になった27歳、看護師を目指すことを決意します。

社会人から最短で正看護師の資格を取るために、3年制の看護専門学校を受験することにしました。

独学での受験勉強に不安があったこと・1回挑戦してダメだったら諦める覚悟だったことから、後悔しないために予備校に通いました。

看護学校入学を目指す人だけが通う予備校だったので、同じ仲間がいるのは心強かったです。

1年間の受験勉強の末、合格。

28歳にして看護学生となりました。

3年間、常に実習と課題と試験に追われ、完全に婚期は逃しましたが後悔はしていません。

第二の青春を謳歌でき、良い思い出となっています。

留年も浪人もすることなく、無事に31歳で看護師になりました。

看護師ってどんな仕事?

手術室しか経験がなく、病棟に関しては全くの無知である前提のお話になります。

一般的に想像する看護師の仕事については、宮子あずささんの著書がおすすめです。

医師や薬剤師、臨床工学技士など他の医療職との最大の違いは、患者さんとの距離です。

看護師は患者さんの日常生活を助け、一番近くで患者さんと関わります。

時には患者さんとその家族の気持ちを身近で聴いて、医師に伝える代弁者となることもあります。

健康で病院とは無縁な日々を送っていると気付きませんが、健康を損なうと普段当たり前だと思っていることができません。

仕事ができない・家事ができない・食事ができない…それが患者さんにとっての日常となります。

その日常を支えるのが看護師の仕事です。

手術室看護はその点を踏まえると特殊な分野です。

手術という患者さんの非日常体験をサポートするわけですから。

局所麻酔で意識のある状態で行う手術ももちろんありますが、多くは全身麻酔下での意識のない患者さんに対して看護を実施します。

病棟での患者さんの日常についてはほとんど知らず、起きている患者さんと関わる時間はせいぜい10分ほど。

患者さんからしても病棟看護師のことは覚えられても、手術室看護師を覚えていられることは難しいでしょう。

患者さんとの関わりはどうしても希薄になります。

でもだからこそ感じられるやりがいがあります。

手術を受けられる患者さんは、よく自身をまな板の鯉に例えます。

これは、されるがままの状態に命を委ねてくれるということです。

患者さんの記憶には残らないけれど、その信頼に応えることこそ手術室看護の仕事であり魅力だと思っています。

◯歳だけど今からじゃもう遅い?

看護師になるのに早いも遅いもありません。

…そう言いたいところですが、他の転職と同様、現実は早いに越したことはありません。

年齢を重ねると知力・体力に差が出てくるのは避けられないからです。

看護師になるには相当な勉強量が必要ですし、現役に混じって実習や課題をこなすには体力を使います。

看護師になってからもハードな業務が待っています。

最初からこじんまりしたクリニックや時短で働く選択肢もありますが、そうであれば社会人から看護師になることは個人的にはあまりおすすめしません。

転職とは、前職より収入を上げるために行うべきだと考えるからです。

こじんまりしたクリニックへの就職や時短勤務では、3年間の看護学生時代をペイできるほどの収入を得るまでに時間がかかってしまいます。

また、晴れて看護師になり働いてからの転職も、若いうちに越したことはありません。

特に美容医療系は、臨床経験が少なくても若い層を求める傾向があります。

ただし、あくまで純粋に看護師になりたい、収入とかペイとか関係ないんだという方にとっては、何歳であっても遅くはありません。

今日が一番若い日です。

迷ったらGOです。

本当に看護師を目指すのか、まずは看護学校を受験してから考えるのも一つの手です。

なぜなら看護学校の倍率、すごいのです。

合格しないと始まらない、それが社会人から看護師への転職の第一関門です。

看護師に向いている人とは?

結論、そんな人はいないと思っています。

現在働いている部署には、40人弱の看護師が在籍していますが、持っている看護観も、得意分野も様々です。

しかし、残念ながら向いていない人は一定数いるのかなという印象はあります。

個人的に考える、看護師に向いていない人5選は以下の通りです。

  • 多重業務にパニックになってしまう人
  • 対人コミュニケーションが苦手な人
  • 同じ失敗を何度もする人、失敗から学べない人
  • ひとつのミスで思い悩んでしまう人
  • 血やグロいものが苦手な人

過去に退職していった看護師は、大体この5選に該当します。

ただし、仮に上記に当てはまったとしても、職場を変えて新たな環境であれば看護師として力を発揮する場合もあります。

つまり諦める必要はなく、看護師になる前から向いてるかどうか思い悩む必要はないとお伝えしたいのです。大事なのは看護師になりたいかどうかです。

社会人から看護師を目指すのはアリか?

看護師は世間が思うほどの高収入ではありませんが、倒産や失業する心配のない安定した職業です。

例え病院が倒産しようが失業しようが、看護師という国家資格を持っている限り働くところには困らないからです。

資格を持っていることでできる仕事の選択肢も広がります。

就職先は病院に限らず、一般企業・訪問看護・老後施設・アートメイクなどの美容医療など、多岐に渡ります。

個人で起業すれば収入は青天井です。

万が一、看護師は自分に向いていなかったという結論に至ったとしても、目指した経験は決して無駄ではないと言えます。

ご自身にとって、現在の生活・収入を捨ててでも最低3年間の学生生活を乗り越え、看護師になる覚悟とメリットがあるか。

その答えがイエスなら迷うことなく挑戦してほしいと思います。

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